【心理的安全性】”罰ゲーム化”が問題視される管理職、弱みの見せ方に差。”ゴール添え”で伝えた上司は、添えずに伝えた上司の約4.3倍「部下から率直な意見が出るようになった」|上司のヴァルネラビリティ調査2026

管理職200名調査。伝え方9項目のうち、差が最も大きかったのは「ゴール添え」。一方で、上司の約3割は本音を十分に話せない”隠れ孤立”の状態に
株式会社キャリ・ソフィア(大阪本社:大阪府吹田市、代表取締役:木山美佳)は、「上司が部下に自分の弱みを見せることに関する調査(上司のヴァルネラビリティ調査2026)」の結果を発表いたします。
「管理職の罰ゲーム化」が指摘され、管理職の負担軽減や支援のあり方が人材マネジメントの課題となっています。また、心理的安全性を高めるために、上司が部下に弱みを見せることの重要性が語られています。一方で、どのように弱みを見せれば心理的安全性につながるのかは、十分に示されてきませんでした。本調査では、部下を指導・育成する立場にある上司200名を対象に、何を弱みと捉え、何を、どのように伝え、その後どのような変化があったかを明らかにしました。
調査の結果、部下に弱みを伝えた上司148名のうち、達成したい目的や目標を併せて伝えた上司(以下、「ゴール添え」の上司)は、「部下から率直な意見が出るようになった」と答えた割合が58.7%でした。目的や目標を添えずに伝えた上司では13.7%で、「ゴール添え」の上司の割合は約4.3倍です(いずれも上司本人が感じた変化です)。Q4で尋ねた伝え方9項目(文末に記載)それぞれについて、選んだ上司と選ばなかった上司で「部下から率直な意見が出るようになった」の割合を比べると、最も差が大きかったのが「ゴール添え」でした。ただし、弱みを伝えた上司148名のうち、「ゴール添え」で伝えた上司は31.1%と約3割にとどまっています。また、上司が「部下に伝えると、上司として弱みを見せることになる」と感じる内容を12項目(複数回答)から選んでもらったところ、最も多い「失敗や間違い」「不安やプレッシャー」(各29.0%)から7位の「分からないことがある」「今後の見通しを持てていない」(各23.5%)までが5.5ポイントの僅差で並び、突出した項目はありませんでした。何を弱みと感じるかは、上司によって異なります。さらに、仕事上の本音や不安、迷いを安心して話せる相手が「いない」(10.5%)、「いるが、十分には話せていない」(18.5%)上司は、合わせて29.0%にのぼりました。本調査では、この状態を”隠れ孤立”と呼んでいます。部下に弱みを伝えるときは、目的や目標を添えるなど伝え方を工夫すること。それとは別に、上司自身の不安や迷いを受け止める場として、メンタリングを用意すること。当社は、この2つが心理的安全性の高い職場づくりに向けた重要な視点だと考えています。
※ヴァルネラビリティ(バルネラビリティ/vulnerability):英語で「傷つきやすさ」「弱さ」を意味する言葉。組織やリーダーシップの分野では、自分の弱みや不確かさを他者に開示することを指して用いられる。本調査では、上司が部下に自分の弱みや迷いを伝えることを扱っている。
弱みの見せ方に差。「ゴール添え」は約4.3倍、管理職の約3割が”隠れ孤立”

■調査結果のまとめ
● 伝え方:「ゴール添え」で伝えた上司は、添えずに伝えた上司の約4.3倍「部下から率直な意見が出るようになった」。伝え方9項目の中で最も大きな差
● 伝え方:現在分かっていることと、分かっていないことを「整理」して伝えた上司は、マイナスの変化が少ない(9.8%と24.1%)
● 弱みの捉え方:「弱み」と捉えることは人それぞれで、上位7項目が23.5〜29.0%の僅差で並ぶ。実際に伝えるのは「分からない」「迷っている」など業務上の迷いが中心
● ためらい:最多は「部下を不安にさせそうだから」(19.0%)。一方、部下から弱みを伝えられると「親近感を持つ」(38.5%)が最多
● 上司自身:約3割が本音を十分に話せない”隠れ孤立”。求める支援の最多は「伝えてよい内容の判断基準」「部下を不安にさせない伝え方」(各30.0%)
■主なトピックス
【伝え方と、伝えた後の変化】
- 伝え方①「ゴール添え」:目的や目標を添えて伝えた上司は、添えずに伝えた上司の約4.3倍「部下から率直な意見が出るようになった」(58.7%と13.7%)。伝え方9項目の中で最大の差
- 伝え方②「整理」:現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた上司は、マイナスの変化があった割合が9.8%と少ない(整理せずに伝えた上司は24.1%)
- 「ゴール添え」と「整理」(分かっていること・分かっていないことの整理)の両方で伝えた上司は約1割(10.1%)。そのうち73.3%が「部下から率直な意見が出るようになった」(どちらもない上司は5.4%)
- 伝え方の最多は「整理」(41.2%)。「ゴール添え」は31.1%。「自分の不安や負担を伝えることが中心だった」は8.1%
- 伝えた後の変化は「部下と協力して仕事を進めやすくなった」(28.4%)、「部下から率直な意見が出るようになった」(27.7%)が上位。マイナスの変化の最多は「部下から頼りなく思われたと感じた」(10.1%)
【何を弱みと捉え、何を伝えたか】
- 「部下に伝えると、上司として弱みを見せることになる」と感じる内容は、上位7項目が23.5〜29.0%の僅差で並び、突出した項目はない。何を弱みと感じるかは上司によって異なる
- 部下に弱みや迷いを伝えることが「よくある」「ときどきある」上司は51.5%。「あまりない」「まったくない」は40.0%
- 最も最近、部下に伝えたのは「分からないことがある」(36.5%)、「判断や方針に迷っている」(35.8%)など業務上の迷いが中心
- 「不安」は弱みと感じても伝えにくい。弱みと感じる29.0%、直近に部下へ伝えた14.5%(参考比較)
【ためらいと、伝えてよいかの判断基準】
- 弱みを見せることをためらう理由の最多は「部下を不安にさせそうだから」(19.0%)。「特にためらいや抵抗はない」は15.0%
- 伝えてよいかの判断基準は「問題の解決や意思決定につながるか」(26.5%)が最多。「仕事の目的や目標の達成に役立つか」は21.0%
【部下との関係と、部下の弱みの受け止め方】
- 弱みを伝えた当時の部下との関係は「部下の強みや考え方をある程度理解していた」(31.8%)が最多。「互いに率直な意見やフィードバックを伝え合っていた」は11.5%
- 部下から弱みを伝えられたとき、上司の受け止め方は「率直に伝えてくれたことに親近感を持つ」(38.5%)が最多
【上司自身の孤立と、求める支援】
- “罰ゲーム化”が問題視される管理職、29.0%が”隠れ孤立”。本音を話せる相手が「いない」「いるが十分には話せていない」
- 上司が求める支援の最多は「伝えてよい内容の判断基準」と「部下を不安にさせない伝え方」(各30.0%)
■主なトピックス(詳細)
【伝え方と、伝えた後の変化】
1. 伝え方①「ゴール添え」:目的や目標を添えて伝えた上司は、添えずに伝えた上司の約4.3倍「部下から率直な意見が出るようになった」(58.7%と13.7%)。伝え方9項目の中で最大の差
「ゴール添え」と変化:弱みを伝えた上司148名のうち、「達成したい目的や目標を併せて伝えた」上司(46名)は、その後の変化として「部下から率直な意見が出るようになった」を58.7%が挙げた。目的や目標を添えずに伝えた上司(102名)では13.7%で、約4.3倍の差があった。「部下との信頼関係が深まったと感じた」も37.0%と14.7%、「部下から相談されるようになった」も32.6%と15.7%と、いずれも差が見られた。Q4の伝え方9項目それぞれで同様の比較を行ったところ、「部下から率直な意見が出るようになった」の差が最も大きかったのは「ゴール添え」だった。
※当社は、達成したい目的や目標を併せて弱みを伝えることを「ゴール添え」と呼んでいます。
※上司本人が感じた変化です。Q4・Q5の選択数で層別・調整した分析、および多数の選択肢を選んだ回答者9名を除いた分析でも、同様の差が見られました。

2. 伝え方②「整理」:現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた上司は、マイナスの変化があった割合が9.8%と少ない(整理せずに伝えた上司は24.1%)
整理した伝え方と変化:「現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた」上司(61名)で、マイナスの変化があった割合は9.8%、整理せずに伝えた上司(87名)では24.1%だった。マイナスの変化が少なかったのは、伝え方9項目のうち「整理」のみだった。
※マイナスの変化の区分は当社によるものです。上司本人が感じた変化です。Q4・Q5の選択数で層別・調整した分析、および多数の選択肢を選んだ回答者9名を除いた分析でも、同様の差が見られました。

3. 「ゴール添え」と「整理」(分かっていること・分かっていないことの整理)の両方で伝えた上司は約1割(10.1%)。そのうち73.3%が「部下から率直な意見が出るようになった」(どちらもない上司は5.4%)
組み合わせ別の変化:「ゴール添え」と「整理」の両方で伝えた上司(15名)は、「部下から率直な意見が出るようになった」が73.3%、「部下との信頼関係が深まったと感じた」が53.3%、マイナスの変化があった割合は13.3%だった。どちらも選ばなかった上司(56名、37.8%)では、「部下から率直な意見が出るようになった」は5.4%、マイナスの変化があった割合は23.2%だった。
※両方を選んだ上司は、選択肢を多く選ぶ傾向があります。上司本人が感じた変化です。

4. 伝え方の最多は「整理」(41.2%)。「ゴール添え」は31.1%。「自分の不安や負担を伝えることが中心だった」は8.1%
伝え方:弱みや迷いを伝えた上司の伝え方は、「現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた」(41.2%)、「自分が引き受ける責任や役割を明確にした」(32.4%)、「達成したい目的や目標を併せて伝えた」(31.1%)が上位だった。一方、「自分の不安や負担を伝えることが中心だった」(12名)はマイナスの変化があった割合が66.7%(それ以外の上司は14.0%)、「解決方法やその後の対応を部下に委ねた」(8名)も62.5%と高かった。

5. 伝えた後の変化は「部下と協力して仕事を進めやすくなった」(28.4%)、「部下から率直な意見が出るようになった」(27.7%)が上位。マイナスの変化の最多は「部下から頼りなく思われたと感じた」(10.1%)
伝えた後の変化:プラスの変化では「部下と協力して仕事を進めやすくなった」(28.4%)、「部下から率直な意見が出るようになった」(27.7%)、「部下が助けを求めるようになった」(27.0%)が上位だった。マイナスの変化は「部下から頼りなく思われたと感じた」(10.1%)、「部下を不安にさせたと感じた」(7.4%)など、いずれも1割程度以下。「自分自身の心理的な負担が減った」(20.3%)は「増えた」(3.4%)を大きく上回った。
※プラスの変化・マイナスの変化の区分は当社によるものです。

【何を弱みと捉え、何を伝えたか】
6. 「部下に伝えると、上司として弱みを見せることになる」と感じる内容は、上位7項目が23.5〜29.0%の僅差で並び、突出した項目はない。何を弱みと感じるかは上司によって異なる
弱みだと感じる内容:部下に伝えた場合に「弱みを見せることになる」と感じるものは、「自分の失敗や間違い」「不安やプレッシャーを感じていること」(各29.0%)、「業務に必要な知識や経験が不足していること」(28.0%)が上位で、「一人では解決できず、助けが必要なこと」「自信を失っていること」(各24.0%)、「分からないことがあること」「今後の見通しを持てていないこと」(各23.5%)が続いた。1位と7位の差は5.5ポイントで、突出した項目はない。何を弱みと捉えるかは、上司によって分かれている。なお、「いずれも『弱みを見せること』だとは思わない」は11.5%だった。

7. 部下に弱みや迷いを伝えることが「よくある」「ときどきある」上司は51.5%。「あまりない」「まったくない」は40.0%
弱みを伝えた経験:部下に自分の弱みや迷いを伝えたことが「よくある」は11.5%、「ときどきある」は40.0%で、合わせて51.5%。一方、「あまりない」は28.0%、「まったくない」は12.0%で、合わせて40.0%だった。

8. 最も最近、部下に伝えたのは「分からないことがある」(36.5%)、「判断や方針に迷っている」(35.8%)など業務上の迷いが中心
実際に伝えた内容:最も最近、部下に伝えた弱みや迷いは、「分からないことがある」(36.5%)、「判断や方針に迷っている」(35.8%)、「業務に必要な知識や経験が不足している」(29.6%)が上位。「自信を失っている」(10.1%)、「心身の調子がよくない」(8.8%)、「家庭や個人的な事情を抱えている」(6.3%)は1割程度以下だった。
※Q2で「よくある」「ときどきある」「あまりない」と回答した159名が母数です。

9. 「不安」は弱みと感じても伝えにくい。弱みと感じる29.0%、直近に部下へ伝えた14.5%(参考比較)
弱みだと感じる内容との比較:「不安やプレッシャーを感じている」は29.0%が弱みと感じている一方、最も最近、部下に伝えた内容として挙げたのは14.5%だった。「自信を失っている」も24.0%に対して10.1%。反対に「分からないことがある」(23.5%→36.5%)、「判断や方針に迷っている」(21.0%→35.8%)は、実際に伝えた割合の方が高い。
※Q1(n=200)とQ3(n=159)は設問・母数が異なるため、参考比較です。

【ためらいと、伝えてよいかの判断基準】
10. 弱みを見せることをためらう理由の最多は「部下を不安にさせそうだから」(19.0%)。「特にためらいや抵抗はない」は15.0%
ためらいの理由:部下に弱みや迷いを見せることにためらいや抵抗を感じる理由は、「部下を不安にさせそうだから」(19.0%)が最多で、「自分の責任は自分で果たすべきだと思うから」「もともと自分のことを他人に話さないから」(各14.5%)、「部下から頼りないと思われそうだから」(14.0%)が続いた。「どのように伝えればよいか分からないから」(12.0%)、「どこまで伝えてよいか分からないから」(10.5%)と、伝え方や範囲に迷う声もあった。
※3つまでの複数回答。

11. 伝えてよいかの判断基準は「問題の解決や意思決定につながるか」(26.5%)が最多。「仕事の目的や目標の達成に役立つか」は21.0%
判断基準:弱みや迷いを部下に伝えてよいかを判断するときに重視することは、「問題の解決や意思決定につながるか」(26.5%)、「部下との間に信頼関係があるか」(23.0%)、「上司自身が責任を引き受ける姿勢を示せるか」(22.0%)、「仕事の目的や目標の達成に役立つか」(21.0%)が上位だった。「特に判断基準はない」は13.0%。
※3つまでの複数回答。

【部下との関係と、部下の弱みの受け止め方】
12. 弱みを伝えた当時の部下との関係は「部下の強みや考え方をある程度理解していた」(31.8%)が最多。「互いに率直な意見やフィードバックを伝え合っていた」は11.5%
部下との関係:弱みを伝えた当時、その部下との関係は、「部下の強みや仕事に対する考え方を、ある程度理解していた」(31.8%)、「業務上必要な指示や連絡を行うことが中心だった」(23.6%)、「仕事の目標や期待する役割を共有していた」(16.9%)の順だった。
※Q3で具体的な内容を回答した148名が母数です。

13. 部下から弱みを伝えられたとき、上司の受け止め方は「率直に伝えてくれたことに親近感を持つ」(38.5%)が最多
部下の弱みの受け止め方:部下から「分からない」「自信がない」「助けてほしい」などと伝えられたとき、「率直に伝えてくれたことに親近感を持つ」(38.5%)、「状況を早く把握できて助かる」(33.0%)、「信頼して話してくれたと感じる」(29.5%)が上位だった。「自信や能力が不足していると感じる」(8.0%)、「責任感が不足していると感じる」(5.5%)など否定的な受け止めは1割未満だった。一方で、自分が弱みを見せる側になると、ためらう理由の最多は「部下を不安にさせそうだから」(19.0%)だった。
※3つまでの複数回答。

【上司自身の孤立と、求める支援】
14. “罰ゲーム化”が問題視される管理職、29.0%が”隠れ孤立”。本音を話せる相手が「いない」「いるが十分には話せていない」
安心して話せる相手:仕事上の本音、不安、迷いなどを安心して話せる相手について、「職場内にも職場外にもいる」は26.0%、「職場内にいる」21.0%、「職場外にいる」18.0%だった。一方、「いるが、十分には話せていない」は18.5%、「いない」は10.5%で、合わせて29.0%の上司が本音を十分に話せていない。ここでいう話せる相手は、部下・同僚・友人など相手を特定せずに尋ねている。
※当社は、話せる相手が「いない」「いるが、十分には話せていない」状態を”隠れ孤立”と呼んでいます。

15. 上司が求める支援の最多は「伝えてよい内容の判断基準」と「部下を不安にさせない伝え方」(各30.0%)
必要な支援や学び:弱みや迷いを部下へ適切に伝えるために必要なものとして、「部下に伝えてよい内容と、伝えないほうがよい内容の判断基準」「部下を不安にさせない伝え方」(各30.0%)が最多。「仕事の目的や自分の責任を明確にしたうえで伝える方法」(24.0%)、「部下に協力を求める方法」(20.0%)が続いた。「上司自身が安心して相談できる相手や場」は10.0%、「上司同士で経験や悩みを共有する機会」は7.5%だった。
※3つまでの複数回答。

■自由回答から(抜粋・原文のまま、一部中略・誤字は修正)
伝えてよかった
- 部下に、自分が苦手なことを伝えたら、部下も自分が苦手なことを話してくれて仲が深まりました。(37歳・女性)
迷い・後悔
- 過去の失敗談なら、いくらでも部下に話せる。しかし現在進行形の悩みは話しづらい。(中略)正直情けない気持ちと、手を回してくれた部下に感謝したい、複雑な気持ちだった。(55歳・男性)
■「ゴール添え」の伝え方を広げ、”隠れ孤立”を防ぐための提案
本調査では、弱みは伝え方によって、その後の変化が異なりました。「ゴール添え」で伝えた上司は、部下から率直な意見が出るようになったと答えた割合が、添えずに伝えた上司の約4.3倍で、伝え方9項目の中で最も大きな差でした。分かっていること・分かっていないことを「整理」して伝えた上司は、マイナスの変化があった割合が低い結果でした。しかし、弱みを伝えた上司148名のうち、「ゴール添え」で伝えた上司は約3割、両方で伝えた上司は約1割にとどまります。上司が求める支援の最多が「伝えてよい内容の判断基準」「部下を不安にさせない伝え方」(各30.0%)であることも、伝え方を学ぶ機会の必要性を示しています。
一方で、自分の不安や負担を伝えることが中心だった上司は、マイナスの変化があった割合が高い傾向が見られました。上司の不安そのものは、部下ではなく、部下以外の相手が受け止めることが望ましいと当社は考えます。しかし本調査では、本音を誰にも十分に話せていない”隠れ孤立”の上司が約3割にのぼりました。部下に伝えない悩みを一人で抱え込むことは、管理職の負担を重くします。”隠れ孤立”は、いわゆる「管理職の罰ゲーム化」の背景の一つになり得ます。
かつては、同じ時間に職場にいることや社内行事を通じて、上司が先輩や同僚に自然と相談できる機会がありました。働く時間や場所が多様になり、社内行事も減った現在、そうした機会は自然には生まれにくくなっています。
当社は、これらの結果を踏まえ、次の2つの取り組みを提案します。
- 弱みの捉え方と伝え方を学ぶ教育:何を弱みと捉え、何を部下に伝えるかの判断基準と、「ゴール添え」や、分かっていることと分かっていないことを整理するなどの伝え方を、研修やチームビルディングの場を通じて再現性のある形で学ぶ。
- 仕組みとしてのメンタリング:上司の不安や迷いを受け止める部下以外の相手を、偶然に任せず組織の仕組みとして用意し、”隠れ孤立”を防ぐ。
■調査結果を受けて
| 心理的安全性のために部下に弱みを見せる、というところで終わらせず、どのように伝えればマネジメントに生きるのかを考えることが大切です。本調査でも、目的や目標を添えて伝えた上司ほど、部下から率直な意見が出るようになったと感じていました。ヴァルネラビリティ研究で知られるブレネー・ブラウン氏も、境界線のないヴァルネラビリティはヴァルネラビリティではないと述べています。そして、それとは別に、上司自身が不安や迷いを安心して話せる場も必要です。約3割の上司が本音を十分に話せていない現実は、管理職を支える仕組みとしてのメンタリングの必要性を示していると感じています。 代表取締役 木山美佳 |
木山美佳:人材育成コンサルタント/キャリアコンサルタント。一般社団法人ダイバーシティ人材育成協会代表理事。2020年時点で延べ5万人以上のキャリア形成を支援。著書に『自分から動く部下が育つ 8つのパワーフレーズ』(同文舘出版)。

● 本調査を引用いただく際は、出所として「株式会社キャリ・ソフィア『上司のヴァルネラビリティ調査2026』」と記載してください。
● 調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。
URL:https://www.career-sophia.jp/vulnerability-survey-2026/
● 構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。
● Q1・Q2・Q6・Q7・Q9・Q10・Q11は200名、Q3はQ2で「よくある」「ときどきある」「あまりない」と回答した159名、Q4・Q5・Q8はQ3で具体的な内容を回答した148名が母数です。Q6・Q7・Q9・Q11は3つまでの複数回答です。
● “隠れ孤立”は、Q10で「いるが、十分には話せていない」「いない」と回答した状態を指す当社の呼称です。
● 「ゴール添え」は、Q4で「達成したい目的や目標を併せて伝えた」と回答した伝え方を指す当社の呼称です。
● 伝え方9項目(Q4):「達成したい目的や目標を併せて伝えた」「現在分かっていることと、分かっていないことを整理して伝えた」「自分が引き受ける責任や役割を明確にした」「代替案や別の方法を示した」「今後の対応や次の行動を示した」「部下に求める協力を具体的に伝えた」「部下に意見や提案を求めた」「自分の不安や負担を伝えることが中心だった」「解決方法やその後の対応を部下に委ねた」。それぞれについて、選んだ上司と選ばなかった上司の「部下から率直な意見が出るようになった」の割合を比べています(「解決方法やその後の対応を部下に委ねた」は8名のため比較から除外)。
● マイナスの変化は、Q5の「部下を不安にさせたと感じた」「部下から頼りなく思われたと感じた」「自分の専門性や判断力に対する評価が下がったと感じた」「部下との関係がぎこちなくなった」「自分自身の心理的な負担が増えた」の5項目、プラスの変化は「部下から率直な意見が出るようになった」など8項目を当社が区分したものです。
● 代表コメント中のブレネー・ブラウン氏の考え方は、Brené Brown『Dare to Lead』(2018年)によります。
■調査概要
| 調査名 | 上司が部下に自分の弱みを見せることに関する調査(上司のヴァルネラビリティ調査2026) |
| 調査主体 | 株式会社キャリ・ソフィア |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査対象 | 部下を指導・育成する立場にある上司(スクリーニング済み) |
| 有効回答数 | 200名(男性150名・女性50名) |
| 調査期間 | 2026年9月15日 |
■会社概要
| 会社名 | 株式会社キャリ・ソフィア |
| 代表者 | 代表取締役 木山美佳 |
| 所在地 | 〒564-0082 大阪府吹田市片山町3-11-16 ワークスタイルイノベーションオフィス(大阪本社) |
| 拠点 | 東京サテライトオフィス(東京都中央区)、福岡ワーケーションオフィス(福岡県大牟田市) |
| 設立 | 2011年3月 |
| 事業内容 | 人材育成・キャリア開発・ダイバーシティ研修、教材開発(キャリアエレメンツカードほか) |
| Web | https://www.career-sophia.jp/ |
■取材のご案内・本件に関するお問い合わせ
本調査に関する、代表取締役・木山美佳へのインタビュー・コメント取材を承ります。「弱みの見せ方と『ゴール添え』」「管理職の”隠れ孤立”」「管理職の罰ゲーム化と上司の支援」「心理的安全性につながる弱みの見せ方」「チームビルディングと上司の自己開示」「管理職へのメンタリング」「1on1での自己開示」などのテーマで、調査データと現場の支援事例をもとにお話しできます。オンラインでの取材も可能です。ご希望の際は、下記の広報担当までメールにてお問い合わせください。
株式会社キャリ・ソフィア 広報担当:上野
TEL:TEL:06-4861-6500 E-mail:press@career-sophia.jp
06-4861-6500 E-mail:press@career-sophia.jp

